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平和なコソボに帰りたい
ユーゴ・ミリエボ難民キャンプの少女
2000年12月10日「少年少女新聞」掲載
ベオグラードから車で30分の住宅地の中にミリエボ難民キャンプはある。
配給で1日1本の牛乳をもらい、
笑顔のスラージャ(6才)
(ミリエボ難民キャンプ)
ミトロビッツァから昨年のNATO空爆後逃げてきたセルビア人だ。アルバニア人の武装勢力KRAがセルビア人に対する報復テロを始めたので、村を逃げてきた、ほとんどのセルビア人の家は焼かれてしまったという。
ミリエボ難民キャンプはセルビア正教会の援助で運営され、毎日の食糧の供給と住宅の援助や大人たちの就職斡旋などを行っている。
スラージャ・プンパロビッチ(6才)はまだ学校に行っていない。
お母さんは来年、近くの学校に入れたいと考えているが、スラージャはとてもはにかみやさんなので都会の子どもたちとなじめるか心配している。
毎日、昼にキャンプの食堂で、配給がある。牛乳、パン、総菜などが分配される。スラージャはお母さんと一緒に毎日ここに食料を取りに来る。スラージャの毎日 の仕事になっている。
食堂では、サーシカ(13)とナスタシア(13)がミラン・プンパロヴィッチさんに国語を教えてもらっていた。学校の宿題だという。スラージャは二人を羨 ましそうに見ていた。スラージャも早く、学校に行って勉強をしたいという。
まもなく厳しい冬がやってくる。難民キャンプの住まいは隙間だらけで、冷たい風が雪と一緒に入ってくる。早く、平和なコソボに帰ることがここの人々の願いだ。


学校から帰ってきた子どもたちは、
元教師だったミラン・プンパロビッチさんから
勉強を教えてもらっている。

もうすぐ厳しい冬を迎える。
お年寄りたちは日向ぼっこをしながら編み物をしていた。


真冬は雪と冷たい風が壁のすき間から
吹き込んでくるミリエボ難民キャンプ


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