2004/2/20〜2/22 茨城県水戸市銀杏坂市民ギャラリー

森住卓写真展

「イラク戦争の子どもたちーChildren of the Iraq War―」

戦禍の中の子どもたちの写真を前に、言葉もなく静かに見入る人々がとても印象的でした…。

2月20日から22日、茨城県水戸市の銀杏坂(いちょうざか)市民ギャラリーで、森住卓写真展「イラク戦争の子どもたち」を開きました。主催は、みと市民講座と茨大エコアクション。お借りした写真は、「イラク・湾岸戦争の子どもたち(20点)」と「イラク戦争―戦禍と核汚染の中でー(26点)」です。訪れた人数は214名、アンケートを残してくれた方は102名でした。

「おこなわれたいっさいの不当なことにたいして、それをおかしたものに罪があるばかりでなく、それをとめなかったものにも罪があります」というケストナーの言葉は、今でも通じるメッセージです。そのことを思い返しながら写真を見ました。

原子力発電所からの核廃棄物もウラン弾の原料です。原発に頼っている茨城県からも「NO DU」の声を上げることは重要なことだと考えています。

劣化ウラン弾の使用は、地球環境と人類の未来に取り返しのつかない危険をもたらしています。この危険性をひろめるには「イラク戦争の真実」を伝え、考えて、あきらめずに行動することが、「知った」ことの責任だと思います。そして、いろいろな言葉をつづり「感じて」くれた人たちと出会うことができました。写真展を企画して本当に良かったと思いました。

森住さんとスタッフの皆様に感謝致します

アンケートに記入してもらった、たくさんの感想のうち、いくつかを抜粋してご紹介したいと思います。

 

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    展示写真の中で特に印象に残ったものはどれですか.

    白血病の子どもたちや劣化ウランで汚染された川で泳ぐ子どもたち。戦争で友人、家族、家、町など失くして悲しみでいっぱいのはずなのに、笑顔で写真に写っていて、この笑顔を見るとつらかった。(女性・20代)

    どれも印象深いものばかりですが、劣化ウランの影響でこれから生まれて来る子達の影響は、いつまで続くかわからない、恐ろしいです。(女性・70代)

    ウラン弾の影響で白血病や奇形で育つことの出来ない子どもの姿。子供たちのあどけない顔。(女性・50代)

    さみしさのあまりタバコや薬物等に手をのばす子ども。先天異常の赤ちゃん。治療が行き届かない現状。(女性・20代)

    砂漠に転がっている劣化ウラン弾。(男性・50代)

    汚染された水で遊ぶ子ども。隣のベッドの子どもが亡くなり不安になる子ども。(女性・20代)

    全部。(女性・10代)

    無脳症の赤ちゃん。(女性・50代)

    すべて痛ましいものですが、特に無脳症の子の写真は、正視するのがつらいものでした。(女性・70代)

    腹水を抜いている少女の表情。(女性・40代)

    ファデール親子。(男性・30代)

    病院で治療をうけている子どもたち。川で遊ぶ子どもたち。(女性・20代)

    特にと言われても、印象に残るものばかり。2003年11〜12月の取材写真のうち、喫煙しているストリートチルドレンの顔の表情とホテルの前を警備するブラッドレー歩行戦闘車の手前コンクリートに落書された「US army go home」が印象に残っています。(男性・40代)

 

    ご意見・ご感想をお願いいたします.

「この写真を全世界の人々に見てもらいたい、我々は知らされていないことが余りにも多すぎる。世界中の人々がこれらの写真を見て、ブッシュや小泉を政治の座から引きずり降ろさせ、裁くべきである」(男性・50代)

 

「劣化ウラン弾の被害、それが当たり前になりつつあるイラクの日常。子ども達の笑顔を通して、より深く強く伝えられていた。死に向かう子供たちに『米軍が悪い』と親が言ったところで何のなぐさめになるだろうか。子どもたちが人間のみにくさを感じながら育っていくのはとても悲しいことだ」(男性・20代)

 

「つい先日『ひめゆり』という第二次世界大戦の沖縄を描いた舞台を観てきたばかりですが、今日の写真展を見ても戦争の犠牲者はいつも子ども等の弱者、やりきれなさを感じます。でも、知る事は、とても大切なこと。ひとりでも多くの人に観てもらいたい写真だと思いました」(女性・40代)

 

「この地球上で、この無法が行なわれていることに強い怒りを感じます。それを日本の政府が支援している。恥ずべきことです」(男性・50代)

 

「イラク戦争、同じ世界に生きる人間として、止められなかったくやしさ、もどかしさがあります」(女性・40代)

「普通の人々の平和な暮らしをさまたげる権利は、誰にもないはずだと思いました。問題はあまりにも大きいので平和を愛する人々の一致団結した声と行動が必要だと思います」(男性・20代)

 

「イラクの生々しい犠牲者たち。私たちが平和であることをあらためて感じた。こういう姿を見るともう二度と戦争を起こさないという、各個人の心が大事だと感じました」(女性・50代)

 

「こんな悲惨な状況だということを知ってショックだった。今、私に何ができるだろうか・・・そう思いながら見ていた」(女性・20代)

 

「小さな子の笑顔が印象的だった。あそこで生活があるというのが伝わった」(女性・10代)

 

「戦争は悪い。皆そう思っていると思うが・・・、私一人に何ができるだろうと、すぐに関心が無くなってしまう人も多いと思う、私も含めて。今回、写真展を拝見し、今すぐに何ができるかわからないが、これから、もっと関心をもって考えていきたいと思った」(女性・20代)

 

「こちらをじっと見ている子どもの写真は特に印象に残る。『何故?』と問いかけられているような気がします」(女性・50代)

 

「日常の中で流れるメディアでは、ほとんどこの恐ろしい劣化ウラン弾について報道しません。実際にイラクに大量に使われていることを私は知りませんでした。恥ずかしく思うと同時に、その悲惨さに胸が痛みます」(男性・20代)

 

「戦争はきらい。体験したことないけど、やっぱいやだ。体験したことない人でも『やっぱりいやだ、きらい』って思うこと」(女性・10代)

 

「基本的なことの繰り返しで空しく思いますが、戦争は絶対にしても、させてもいけないと又改めて強く思います。悲しすぎます。」(女性・70代)

 

「見ているだけで、切なくなり、あまりきちんと見ることができなかった。けれども、これが現実だし、きちんと見なくてはいけないと思う。そして、心で受け止めなくてはいけない、そう思った」(女性・10代)