◆写真展の報告◆ 沖縄県宜野湾市役所(2/10-11)西岡さん                          (2/12-13)藤原さんより

【2月10日】
今日、10日から沖縄県宜野湾市役所・本館ロビーでイラク写真展が始まりました。企画名称は、「森住卓写真展〜イラク・湾岸戦争の子どもたち〜」です。
主催は、「GOYA」(GROUP OF THE YOUTH,S ACTION)代表:藤原奈央子さんで、共催が自治労宜野湾市職員労働組合で開催しました。14日の金曜日まで4日間の開催です。開催時間は、市役所就業時間に合わしているため、午前8時30分から午後5時までです。また15日土曜日も併設されている宜野湾市民会館ロビーで開催します。この日は「海勢頭豊&月桃の花歌舞団」沖縄公演があります。さて、初日の状況ですが、市役所への市民の来客は、一日で400人ぐらいでしょうか。その内、会場となったロビーの一角の写真展会場まで、足を運びきっちりと写真を見て無料配布のリーフを受け取った人が、73人でした。初めてのオープンスペースでの開催、ギャラリー展示と違って、最初から目的をもって見にこられた方でないためどうなるか心配していました。感想用紙に書かれた全員が「たまたま市役所に来てこの写真展を知った」というように事前の宣伝の弱さの反映です、見られた方の反応は非常によかったと思います。

それでは感想用紙から……

「目をふさぎたくなる様な写真ばかりで、正直ショックです。子供を持つ親として、子供がケガや病気で苦しんでいる姿は過酷ですネッ」(30代女性)

「戦争によって罪のない子供達が犠牲になっている。本当に悲しい事です。戦争は二度と起こしてはいけないと思います。『戦争反対』」「爆撃により家や学校、建物などが壊されていく、もとにもどす事は大事な事です。失われた物はとり戻す事は不可能!に近い。こういう展示会をいろいろな場所でどんどん開いていって下さい。」(50代女性)

「続けてほしい」「言葉がでない」(40代男性)

「自分達の環境とは全く違うし、こんなにひどいとは思いませんでした。特に子供達
の病気や死がとても悲しいと思いました。」(30代女性)

「こんなに悲惨なことになっているという実態をまざまざと見せられると、アメリカがやっていること、やろうとしていることが、どんなにむごいことか、痛感できます。戦争はやってはいけない。弱い者、子供たちがまず犠牲になっている。でも、その実情は、私たちまでほとんど知らされていないということなんですね」「こんなに情報があふれているのに、一方的で片よった、しい的な情報にしかふれていないんだと改めて思いました。このような写真展を学校など、子供たちに是非みてもらいたい
と思います」(30代女性)

「小さな子供達の写真を、目の前にして、目をそむけたくなるような写真。二人の子を持つ親の私としては、涙がこみあげてきました。」「テレビのニュースで、戦争になっている事は知っていたが「また戦争が始まったのか」ぐらいの気持ちでしかなかったが、ニュースでは見れない、写真をとおしての現場の状況を見る事によって、本当に戦争はあってはならないと感じました」(30代女性)

以上、今日の全文です。

カメラ付きの携帯電話で、写真を撮って友人に「見に行くように」メールをした人や、琉球新報の取材を今日受けました。多分明日か明後日に紹介記事が掲載されるはずです。沖縄タイムス紙も取材に来る予定です。

それでは、引き続き写真展がんばりますので、よろしくお願いします。



【2月11日】
朝8時に市役所到着。早速、会場準備。その前に朗報。市役所までの車の中でFM沖縄のニュースでなんと「宜野湾市役所でのイラク写真展」の報道が約2分間流れました。琉球新報1面からのニュースということで、1面の目次に藤原さんの顔写真、社会面のなんと6段抜きで写真と本文といううれしい内容。

まず、琉球新報の記事から報告します。
▼以下、琉球新報から転載です。

■戦争は子供の明日奪う/藤原さんら、イラク写真展を企画

 【宜野湾】緊迫するイラク情勢を前に、戦争をあらためて問い直そうと「イラク・湾岸戦争の子供たち」と題するフォトジャーナリスト・森住卓氏の写真展が宜野湾市役所で10日から開かれている。主催は神戸出身で阪神・淡路大震災を体験した藤原奈央子さん(22)が代表を務める実行委員会「GOYA」(Group Of The Youth’s Action)。写真展には、「明日はないかもしれない。だけど今日を精いっぱい生きたい。そう願うのは世界中同じではないか」という震災を乗り越えた藤原さんの平和への思いも託されている。

 昨年10月、沖縄に移住した藤原さんは現在、友人と共に糸満市で民宿を営む。沖縄との出合いは1995年の震災。家が全焼し避難所生活を余儀なくされた藤原さんは、沖縄からボランティアに訪れていた宜野湾市職労のメンバーらと知り合った。

 GOYAは、民宿の客や友人らで写真展のために急きょ結成、宜野湾市職労が支援した。藤原さんは「震災で、見えないところからたくさんの支援をもらったから、いろいろなところに自分も目を向けたい。戦争は人災。明日を奪う権利は誰にもない」と訴える。 同展は14日まで。

写真説明:「知らないことにも目を向けてほしい」と話す藤原奈央子さん=宜野湾市役所ロビー

以上です。

▼月曜日に比べ、市役所全体の来庁者が少なく朝から今日はどうなるのかと思いましたが、結果は入場者87人と月曜日を超える結果となりました。

▼それでは、本日の感想文から
「戦争に絶対反対」「きのどくである。戦争当事者はすべて悪い。戦争のない世界を願うのである」(60代男性)

「TVや新聞等では、国連と米国とのパフォーマンスだけが続き、戦争反対の声が広がりつつあるものの、その悲惨さは、忘れかけている感がありました。この写真展を見て、改めて兵器の恐ろしさを思い知らされた気がします」(20代男性)

「子供をもつ親として、とても見るのがつらいですね。私達も今日を幸せに精一杯生きたいと思います。世界中の子供がそうあってほしいです」(40代女性)

「見るとこちらがつらくなる作品もありましたが、それが現実なのだと思います。現実から目をそむけずに、向き合うよい機会だと思いました」(20代女性)

「いつも悲しい思いをするのは、何にも罪のない小さな子供達、その事を、大人は一番考えないといけない。私の夫もカメラマンです。レンズはウソをつきません、がんばって下さい。ありがとうございました」(30代女性)

「色々なつけは弱い子供達が犠牲になり、国は何をしているのか? 行政に色々な取り組み方法などなげかけてみては、」(50代女性)

「戦争をなくすこと」(60代男性)

「戦争は人を死に追いやるだけのことで何んの利益も個人にない、あくまでも話し合いで戦争を回避したい」(60代男性)

「森住さんの写真は人の目や風景など人の心に訴える伝えるものがあって、写真がまるで本当のもののように感じる。イラクに本当にこういう状況、人が今現在存在しているということを伝えてくれた」(30代女性)

「一般のメディアにはなかなか見られない映像なのでやはりショックですね」(30代女性)

「メディアなどで見ていましたが、経済制裁のひどさに怒りが沸きます」(40代女性)

「TVメディアだけの情報よりも考えさせられる事が多いと感じました。戦争を知らない世代の私、もっともっと知っていきたい、知らなければいけないと思いました。子供達の為にも……ありがとうございます」(30代女性)


▲今日は、新聞ラジオの報道があったため、この内4人の方が新聞で知ったと書かれ
ていました。

【2月12日】
今日は少し人通りも少なく、朝は特に少なかったのですが午後から少し作戦を変えて、アンケートをボードにつけてリーフレットと一緒に渡すようにすると、ぐっとアンケートを書いてくださる率が上がりました。今日印象的だったのは、小学校1年生の女の子がじっと無脳症の赤ちゃんの写真の前でたたずんでいて、何回も何回も写真展全体を見て回っていました。最後にこの子のお母さんが迎えに来て、「じゃあ、お母さんも勉強しよう」と本を買って帰って下さいました。
そのあと、沖縄戦経験者のおばあが、『はっさびよー、たいへんだねー。かわいそうだねー。』と言いながら、自分の戦争経験を話して下さいました。『自分のところに来たアメリカーはいい人だったよー。でもね…』戦争では個人がいい人かどうかは関係ない、もうたくさんだ、と30分ぐらいずーっと話をして下さいました。

今日も新聞を見た、載っていたのはあんただねと声をかけて下さる方が4〜5人はいました。知り合いからも連絡がありました。

☆今日のアンケートです。

「いつも犠牲になるのは庶民です。それも子供、老人、女性、社会的弱者となる人たちである。直接戦争がない日本だからといって、絶対に他人事のように考えてはいけないと思う。特に沖縄は。平和ぼけしないようみんなで反戦の確認をする催しはすべき」(30代)

「戦わないほうほうがあれば」(50代)

「被害にあった子供達の写真を見て愕然としました。戦争はいつも弱者が犠牲になると知っていてもその悲惨さを写真をとおしてまのあたりにするとただ涙がでるだけでした」(40代)

「悲しいです。自分達の豊かさ、のんきさを実感します。恐ろしいです」(20代)

「一枚一枚にメッセージを感じ取れた(30代)

「戦争は絶対やめてほしいです。もっともっと日本の若者にこういう写真を見せた方がいいですよ」(50代)

「ただ、むごいという感じ、まともに見れない。この現実を多くの人に見てもらいと思う」(50代)

「ふだん、そういった紛争地域について無知であるのに、知っているかのようにいる自分を発見。沖縄に住むものとして、一生考えなければならないテーマだ」(20代)

「イラクの人たちがかわいそうだった。戦争反対」(10代)

「心が締め付けられるような気持ちになりました。子供達の写真とは違い、戦争の後など人間は何をしているのかと少し怒りを感じました」(20代)

「大勢の人目に真実が触れることは大事なことです。命をかけて撮影された貴重な記録でした。兵器と言うものは実際にそれによってながされる身近な人の「血」と「涙」を見ないとその恐ろしさがわからないやっかいな代物。ここに展示してある写真の悲しみと沖縄人、日本人とが直結している事実に多くの人が気づくべき」(40代)

「子供達が可哀想ですね。戦争はやってならないと思います」(40代)

「悲しいです。戦争は絶対やったら駄目だと思う」(20代)

「現地の悲惨な状況がひしひしと感じられました。何の罪のない人たちが戦争によって苦しい思いにかられている状況は絶対許されることではないと思います。今、この時期だからこそ世界中の人々がその立場にたって何らか考える時なのだと実感しました」(40代)

明日が市役所では最後の日となりました。がんばります

【2月13日】
今日もお年寄りにたくさん声をかけていただきました。若い人ががんばってくれるのはうれしい。自分達の辛い経験をしっかり受け止めてほしい、と。

しかし健康保険課のそばにあるためか、相変わらず若い親子連れも多く、子供を持つ親としてやはり悲しいと言う声を多く聞きました。

今日は明日行われる『海勢頭豊&月桃の花歌舞団コンサート』のメンバーが訪沖、さっそく駆け付けてくれました。明日はこのコンサート会場での展示です。
※アンケートの中に横浜、堺とあるのはそのためです。

☆今日のアンケートです。
「劣化ウラン弾による無脳症の子供の写真は何度か見たが、今回改めてショックを受けた。イラク、アフガン、パレスチナ、戦争による被害、犠牲をいかに我々が共有できるか、世界には米英によるイラク攻撃反対に声をあげている人々がたくさんいます。私もその中の一人です。改めて反戦の気持ちを強くしました。写真展を実施して下さって有り難うございました。共にがんばろう」(40代)

「同じ地球で同じ時間にイラクでは全く違う地獄のような日々を送っていると思うと悲しくなりました。また戦争をおこしたのも同じ人間で…。複雑な思いもありましたが、何か私にできることがあればがんばっていきたいと思いました。(20代)

「アメリカのブッシュ氏は最低。独善的犯罪者。人間は最低。権力者同志の争いに弱者を巻き込まないでほしい」(50代)

「信じられない。どうして罪のない人たちがこんなにも苦しまなければいけないの?同じ人間同志でこんなひどいことができるものなの?。戦争を始めた人。それに参加している人たちにこそ見てほしい。自分のしたことの現実を。もしそれが自分の家族なら?と考えてほしい。どうしたら戦争をなくすことができるのですか?」(20代)

「アメリカの戦争を止めたい。声を大きく叫びたいです。子を持つ親としてもっともっと皆でこのようなことを考え、そして自分のできることを行動に移していきたいです。写真パネルではなく、NHK等の報道で知っていました」(50代)

「日本と別世界に思えた。子供達は学校にもいけなくて可愛そう」(10代)

「外国の出来事とはいえひどすぎる。びっくりして言葉もない。涙を堪えながら見た」(50代)

「はっきりいってドキッとする写真もありましたが、しかし現実を突き付けられたようで戦争がいかに悲惨さかを知ることができた。ここだけの写真展は勿体無いような気がします。ぜひ地域、学校、格官庁などで写真展が開かれたらと思います。多くの大人、子供達に見せたい写真だと思います」(50代)

「新聞、マスコミでは報道されない現実を目の辺りにしてショックでした。このような活動をぜひ継続してやられて下さい」(50代)

「前にあったことなのですが、あらためて写真を見て、生まれてくる子供達、被害にあった大人達が可哀想に思いました。一日も早く平和な暮らしができる様願いたいです」(30代)

「ひどいです」(20代)

「いつも子供達が第一の犠牲になっている。子供を持つ母親として涙の出る写真ばかりです。軍基地の沖縄でもいつこのような子供達を生み出すか分からないと思います」(40代)

「このような写真を見ると今現在の自分達がとても幸せに感じる。これから始まろうとしているイラク戦争はなるべくやるべきではないと思った」(20代)

「訪沖の途中、この写真展があるのを知り立ち寄りました。企画した労組のみなさんもがんばって下さい。イラク戦争が始まるこの時期に戦争はゲームではなく人が死に傷つくことだと訴えることが大事です」(60代)

「こわれた街の中でも笑顔でカメラに向かう子供達が印象的。この子らの上にもう爆弾の雨をふらせないでほしい。今も占領されているようなパレスチナ、もう崩れる建物も残ってないようなアフガニスタン…。武器を使うための戦争で市民を殺さないで」(40代)

「横浜でも既に見ているが、痛々しさこの上ないです。何がこういう状況を生み出しているのか、我々はもっと知る必要がありますね。イージス艦説明がマニアックだけど、何とも物々しさを感じる。西エルサレムの運動写真はちょっと新鮮でした。この人たちを孤立させないようにせねば」(20代)

「劣化ウラン弾の被害を目のあたりにして、言葉につまったり思わず目をおおってしまいたくなるようなショットが数多くありました。こんな国に経済制裁し、又爆弾を落とすアメリカは許すことができません。戦争が始まる前にとめられる。否とめたいと思います。堺でも3/14〜16新金岡というエリアでやります。様々な展示参考になりました。有り難うございました」(40代)

「イラク、アフガン、パレスチナと内容豊富ですね。これらをつなぐ説明とか資料があればもっとよいかな」(30代)

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