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イラク レポート 2003/11〜12 #5


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サマワ日記2

「自衛隊歓迎」の横断幕の真相と影響

宝石商のアンマール・モーセンさん
歓迎の日本語訳を頼んだ宝石商のアンマール・モーセンさん
サマワの横断幕
サマワの商店街に掲げられていた「ようこそ自衛隊の皆様」と日本語で書かれたの横断幕。 アラビア語では「ようこそ日本の皆様」と書かれている。
 12月2日、サマワの商店街で貴金属商を営むアンマール・モーセンさんに話を聞いた。 (共同通信配信記事中にも登場している人)

 彼は日本語で歓迎の意志表示をしたいと私にも日本語で書いて欲しいと、横断幕用の白い布地を持ってきた。 それに対し「私はジャーナリストであり、書くことはしない。 日本国内で日本軍の派兵は反対の声が強い。 日本国憲法は戦争の放棄と非武装を明記している。 日本軍は憲法違反の存在で外国に出て行くことはできない。 アメリカの強い要請で軍隊を派遣しようとしている。 戦前、日本はアジアの国々を侵略し、広島長崎に原爆が投下され、 多くの犠牲をはらって、平和憲法を作った」と説明すると、アンマール・モーセンさんは納得してくれた。

 誤訳をしたジャーナリストは、私の雇っている通訳、ワリード氏とともに一ヶ月ほど前にサマワに来た。 ワリード氏の話によれば、アラビア語から英語に訳してその後日本語に訳されたという。 しかし、ワリード氏の訳は wellcome Japanese armyではなく well come Japanese people と訳したと言っているのだ。

 もし、これが自作自演であれば、ジャーナリストとしての資質と信頼を失うことになる。 そればかりか、この横断幕を最も喜んだ人は誰を隠そう、自衛隊派兵をごり押ししている、小泉内閣に他ならない。

 12月11日、テレビ朝日の朝のワイドショーで、 自民党の平沢勝栄氏が「自衛隊を歓迎する横断幕があるじゃないか。自衛隊派兵に地元民が こんなに歓迎してくれているのになぜ反対するのか」と言わんばかりだった。 一つの映像が一人歩きし、日本の世論を誘導する意図すら臭ってくる。
共同通信は次の内容を配信した。

■「自衛隊歓迎」横断幕は自作 日本ジャーナリストが加筆

【サマワ(イラク南部)12日共同】
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq3/news/1212-221.html
 自衛隊派遣先に決まったイラク南部サマワの目抜き通りに掛けられて いる「ようこそ自衛隊の皆さま」と日本語で記された横断幕が、日本 人ジャーナリストによって書かれ、アラビア語の原文にない「自衛隊」 が加えられていたことが12日までに分かった。
 横断幕の映像は派遣に絡む報道で何度も放映された。派遣をめぐっ て国内を二分する意見がある中、報道関係者がかかわった「歓迎」横 断幕がニュース素材となったことは論議を呼びかねない。
 横断幕を思い立ったのは近くの商店街で貴金属店を営むアンマール ・モーセンさん。自衛隊派遣先にサマワが注目され始めた約1カ月半 前から準備。歓迎のアラビア語のほかに日本語も並べようと思い、サ マワを訪れたニュース番組制作会社の日本人ジャーナリストに訳して もらった。モーセンさんは日本語の清書に自ら挑戦したが失敗、結局 このジャーナリストに頼んだ。
 ジャーナリストは善意から協力したとみられるが、「日本人を歓迎 します」との内容のアラビア語原文にはない「自衛隊」が使われてお り、写真の使用を一時控えた日本の一部報道機関もあった。
(共同通信)[12月12日9時30分更新]

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