2004年2月1日〜8日に、山形県鶴岡市で開催された

 森住卓さんの写真展および講演会の模様を簡単に報告します。

 

 

       

 

主催:「イラクの子どもたちに平和を!」森住卓写真展と講演実行委員会

代表委員:石川勝雄(鶴岡生協議長)、佐藤満雄(庄内医療生協理事長)、脇山淑子(弁護士)、

小泉信三(田川地区平和センター議長)、大高全洋(県宗協会長)、鴻池雅夫(生涯教育教師)

実行委員団体:生協共立社、良書センター鶴岡書店、庄内平和委員会、庄内医療生協、新婦人鶴岡支部、安保破棄鶴岡田川実行委員会、田川原水協、庄内農民センター、鶴岡田川地域労連、県宗教者平和協議会、鶴岡民商、民青鶴岡協議会、原水禁、県高齢者福祉生協、山形虹の会、子育て文化協同の家、教科書問題を考える市民の会、田川革新懇、田川救援会鶴岡支部、生活と健康を守る会、

国賠同盟鶴岡支部、母親大会連絡会、日中友好協会鶴岡支部、親子劇場、科学者会議山大農学部班、

日本有和会山形支部、自交総連ハイヤーセンター支部、共立社労組鶴岡支部、医療生協労組、荘内病院労組、平和センター、田川教祖、グローバルピースキャンペーン鶴岡、他

 

後援:鶴岡市教育委員会、朝日新聞山形総局、毎日新聞山形支局、荘内日報社、コミュニテイ新聞社、鶴岡タイムズ社、山形新聞、山形放送、さくらんぼテレビ、山形テレビ、テレビユー山形


開催日時、場所:

 写真展/2004年2月1日(日)〜8日(日)10001930

     鶴岡協同の家こぴあ2階展示ホール(入場無料)

 講演会/2004年2月8日(日)青年企画「ピースカフェ」10001300

               記念講演        14001600

     鶴岡協同の家こぴあ2階ホール(大人500円、中高生300円)

 

<開催までのスケジュール>

 ‘03年12月27日に準備会を生協共立社、庄内医療生協、庄内平和委員会が呼掛けて開催し、写真展の実施を確認しました。

 ‘031229日付けで実行委員会への参加要請の文書を関係各位に送付。

 ‘04年1月6日に第一回実行委員会を開催。運営や体制の確認をし、多くの市民に関心を持ってもらうことの努力が必要、との意見がでました。

 ‘04年1月14日に第二回実行委員会を開催。チラシ、ポスターの仕分け作業をしました。

 ‘04年1月31日に第3回実行委員会を開催。写真展の展示実務を行いました。

 

<開催中の様子>

  

 

 

 

2/1

 

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来場者

(記帳者)

 

 

150

 

 

50

 

 

30

 

 

37

 

 

44

 

 

40

 

 

70

 

 

294

 

 

715人

感想文

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19人

 

2月1日(日)のオープニングセレモニーには関係者20名が参加しました。

会場の鶴岡協同の家こぴあは生協のお店ですので、期間中は買物帰りの家族連れが多く見受けら

れました。会場には、森住さんの著作や、出版されたばかりのマガジンの単行本などを置いたり、戦争関連のビデオコーナーを設置したりして、平和や戦争について思いを深める場として役立ったようです。また地方紙や、朝日新聞の“人”欄に掲載されたことで、興味、関心をもって来場された方も多かったようです。そのため、この写真展の開催を検討したい、と問合せにこられた方もい

らっしゃいました。

一番関心をもって観賞されていたのは、小さなお子さんと一緒のお母さんでした。小さな命が蹂躙される理不尽さに、あるお母さんは「決してあってはならない」と感想をのべておられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




<写真展に寄せられた感想文>

  オレは理由はどうあれ人の命を奪うことは間違っていると思う。このままではいつになっても戦争は終わらない。すべての国が武器を捨てることから始めるべきだ。重い命を守る為にオレは戦争に反対だ!

  ものすごい戦禍の中でもこどもたちの瞳は澄んできれいである。何の罪のない人々を一方的に攻撃する理由も分からない。戦争とは悲しみと破壊しか生み出さない。あんなにひどい戦禍をうけた日本がまたぞろ戦争のお手伝いをするという。全くばかげたことである。戦争はもう沢山!!世界の戦争をとめる働きを。日本こそ、みんなでストップさせる努力を行わねばならない。人類の発展の為に誰もそのことに異議を唱える人はいないはずだ。

  イラクの復興支援そのものは必要であるが、何故日本の自衛隊が征くのか、納得できない。米、英の特にブッシュ一族の思い込みで始まった戦争であるにもかかわらず、その尻ねぐいを日本や、その他の西側の国々が行っている。米国を国連で総括すべき。その後だったら、復興支援の機運も高まると思う。アラブにはそのオキテ(掟)があるし、ベドウィンのくらしがある何千年の歴史を米国のブッシュはかえられない。小泉も変えられない。とにかく、子供たちの支援をしましょう。

  アメリカこそがテロ。ブッシュはテロの親玉。早くイラクからアメリカは引き上げるべきだ。同盟国なら、直接ブッシュにそう伝えるべきだ。従うだけが同盟国、盟友ではない。戦争に使う金があったら、イラクの子供たちを救うために使うべきだと思う。

  自分がなにも知らずのん気に生活している間に、世界の子どもたちにこのような大人社会のしわよせがきているのかとしょうげきをうけました。今、自分にできること、このしょうげき、この事実をうけとめ、少しでもまわりに事実を伝えて一緒に考えていきたいと思いました。子どもたちと、自分の生活の平和に感謝して生きていきたいと思いました。

  ウランを生活の中であびてしまうような状況になってしまったこと。米軍からのばく弾が劣化ウランをうみだしたことや、戦争で、ウランのイエローケーキが入っていたようきで洗たくしたり、水あびしたりするような状況になってしまったこと。どれも大人の責任。それも決めたのは安全なところにいるえらい人。私たちはまず知ることからはじめなければいけない。そして考えたい。平和にくらしていると不満ばかり。でも、そのエネルギーを外の世界にむけなければいけない時が来たのですね。

  今回の写真展を見てとてもショックだった。世界中のどこかでこんなことが送(?)られているのを改めて知った。劣化ウラン弾とは聞いたこともなかったが改めて恐ろしい兵器だと思った。米軍はよくこんな恐ろしいものを使っているのだろうと思った。これ以上誰かが傷ついたり、死んでしまうことは起きてほしくない。こんなのは正義じゃない、ただの大量殺人だ。これを見て改めて戦争はどいうものなのか実感しました。

  アメリカは世界を平和にしようとイラクに軍隊をおくった。ふつうに考えれば矛盾している。それに中東の平和どころかイラクは前よりも状況は悪くなっていると思う。ジョンレノンが前に「ベッドイン」という活動をした。それは世界中の人々がベッドでなにもしないで一週間寝ていればこの世界は平和になるというものだった。そのとおりだと思う。1ヶ国も核兵器や軍隊や軍事力をもたなければこの世界は平和になるとおもう。アメリカは自分達がこの世の支配者のようにふるまっているが、それはほんとうにくそだ!このせんそうだって本当の目的は中東の平和じゃなくて、石油をひとりじめしたいだけじゃないか!!アメリカはほんとうにまちがっている。この世界をみんなが変えなくてはならないと思う。

  写真展を見て、一番感じたことは当然のことだが、戦争は絶対してはいけないものだと強く思った。その時の戦争に勝つことのだけために劣化ウラン弾を使い、その後の市民の生活などはまったく考えていないので、いろんな病気の子が産まれる。その後も孫、ひ孫の代まで続くの、やっぱり戦争は取り返しのつかないことだと思う。イラクの人達も、全世界のほとんどの人が平和な世界がいいと思っているはずなので、少しでも世の中がかわるように草の根からでもいと思う。

 

 

  劣化ウラン弾を使用した事、それを生みだした事ぜったいにゆるせない。この現状を私たちは、直視しなければならない。

  放射性物質の恐ろしさ、戦争のひさんさが写真から生々しく伝わってきました。その中で子どもたちの笑顔がまぶしく私たち、大人がこの笑顔を守っていかなければならないと強く感じまし

た。何も知らないで放射性物質で汚染された川で遊ぶ子どもたちの写真を見て、絶対に許せないと思いました。

  米英は民主主義国家の代表の如く言われているが、それがいつわりであることが写真の中から改めて感じとれる。敵対する人々に劣化ウランを使用するのは当然と考えている。丁度、広島や長崎に原爆を投下したのが彼らにとってごく当り前のことであったように。

  戦争はいつも弱い人々を苦しめる。笑っている子供の顔を見るのもつらい。胸がつぶれるおもいだ。

  サダムフセインが、イラクが、生物破壊兵器を持っているとして、今ではその存在そのものが否定されているものを理由として勝手にはじめた戦争で、なぜ劣化ウランを使わなければならないのか?全く理不尽としか言いようがありません。唯一の被爆国である我国が、この戦争を認めてしまったことは、日本人として痛たまれない気持ちです。子供達と写真を見たので自分たちの問題として考えるきっかけになればと思います。

  自衛隊のイラク派兵が連日TVに報道されています。遠いイラクの地で弱い子供たちや女性を含めて多くの人名がおびやかされている事に心が痛みます。2人の子供を持つ者として全ての子供たちの笑顔、未来をうばう“戦争”は決して、あってはならない事だと思います。今こそ平和を、くらしを守る為にみんなで声をあげ憲法を守ることが大切だと思います。

  戦争で得るものはなにもありません。日本は先の戦争の痛手を忘れたのでしょうか?どんな理由をこじつけても戦争はやってはいけないのです。日本は今の戦争状態にあるイラクへの派兵は今まで築いてきた日本人の信頼をうらぎることになると思います。外交手段で停戦を働きかけ国連を中心に動き出した時に支援するようにすべきです。

  イラクの子供達がこのような苦しい状況にあることを改めて知り、悲しく思いました。どんな理由があっても戦争はいけない事だと思うし、一人でも多くの人に平和のあり方を分かってほしい。私は今、まだ何もできないけれど、今自分ができることは何なのか良く考え、自分なりに取くんでいきたいと思いました。

  できれば見たくない写真の数々。娘は怖いと逃げてしまいました。でも、イラクの子供たちは逃げられない。この姿を、この事実を日本の国の方向を否応なく決めていく小泉首相に突きつけたい!!

  イラクの子どもたちへー鶴岡からの発信―(2004.2.4

わたしは極東にある日本列島の東北部に住んでいます。日本海に面した米どころ庄内平野(山形県)の地方都市・鶴岡ではいま(2004.2.18)、フォトジャーナリスト森住卓さんの写真展が開かれています。テーマは「イラクの子どもたちに平和を!」です。最終日には森住さんの来訪記念講演も予定されています。

湾岸戦争からイラク戦争までの戦禍と核汚染のなかで必死に生きる子どもと親たちのまなざしが84点のモノクローム一枚一枚からひしひしとわたしの脳裏にこびりつき霊魂が乗り移ってくるようです。

あなたの祖国イラクは西洋人が洞窟で暮らしていたころすでにメソポタミヤ文明を開花させていました。赤ちゃんのお尻には蒙古班があってイラク人と日本人は同じモンゴル系、との説もあります。その文明最先進国イラクがなぜ、いま、生き地獄と化してしまったのでしょうか。

歴史的現在、イラクの人口は2500万人 うち15歳以下の子どもが1200万人以上 高齢化ならざる低齢化社会、とのこと。1980年代の8年間続いたイラクとの戦争 1991年の湾岸戦争とその後の国連による経済制裁 2003年3月からの米英軍による侵略と占領支配 果てしなき抵抗であるゲリラと民主化のたたかい

今回の写真展で劣化ウラン弾が新しい核兵器であり湾岸戦争以来“もうひとつの核戦争”が始まっていることを学びました。国連等によるその真相解明と対策が待たれてなりません。

わたしも15年戦争(193145)の最中で生まれ東京大空襲などで母を失いました。祖国日本はナガサキ、ヒロシマ、ビキニで原水爆の被災を受けました。同じアメリカからー。被爆はしませんでしたが或る難病に苦しみ続けています。ですから戦争と放射能汚染の恐怖は他人事ではありえません。本当につらく苦しいことですね。

子どもはいつも大人のけんかの前で無力です。わたしもそうでした。ただ、「じっと我慢の子」を演じ続けなければなりません。日本は平和憲法第9条で不戦を誓いながら世界有数の軍隊を誇り米英の占領支配に加担し続けています。そして、いよいよ本格的な陸上自衛隊のサマーワ派兵となりました。

大人になり、親になり、祖父になっても自分の国の主人公になれず、独立と平和を守れないことほど情けないことはありません。でも、わたしたちには夢とロマンがあります。いつまでも安心して住み続けられる町づくり、村そだてです。あなたの国には生協や農漁協など協同組合運動があるのでしょうか。「平和とよりよい暮らしを求めて」いつか交流し合いましょう。

 

 

 
<講演会の様子>

最終日の8日には、同じこぴあの二階ホールにおいて、

森住さんの講演が行われました。庄内地方には大雪警報

が発令される悪天候のなか、250人が参加しての熱気

あふれる講演会となりました、

 森住さんはパワーポインターを使用しながら、時系列

に沿って、分かりやすく、湾岸戦争から。今のイラク戦

争にいたるイラクの実情を解説されていました。そして

劣化ウランの被害を蒙っている赤ちゃんの生々しい写真

や、剥き出しの劣化ウラン弾やクラスター爆弾が無造作

に置かれている写真が、映し出されるたびに、会場は大

きくどよめいていました。

 一般のマスメデイアで報道される内容とは、別の真実、

特にアメリカの横暴さの様子を、淡々ではありながら、

力のこもった声で話されていました。二時間という長丁場

でしたが、みなさんあっという間に終わったという印象

をもたれていました。

 

 

 

写真展を観賞し、そして講演を聴いたことで、すこしでもいまのイラクの実情が市民に伝わったのであれば、この企画の意義は大きいと思います。イラクへの自衛隊派遣が、こうしたイラクの実情を論議する前に強行されたことは残念でなりません。この写真展をきっかけとして、ここ鶴岡という地方に住んでいても、一人一人がもっと戦争や平和問題への関心をもってもらいたい、と実行委員会の一人として強く記念して報告をおわります。

 

 「イラクの子どもたちに平和を!」森住卓 写真展と講演実行委員会事務局 佐藤大樹